【インタビュー(後編)】文系学部からでもSIerに挑戦できる!就活のリアル体験談と志望企業の選び方
この記事を読むと、以下のような状態になれます。
・SIer企業を中心に就活を進める際の具体的な選考ステップ がわかる
・学部・学科がITやSIerとは無関係でもアピールできるポイント を理解できる
・最終面接や企業選択で苦労した実体験から、最終的な進路決定の考え方 を学べる
・後ろ倒しの時期(5月以降など)からでもSIer就活で内定を得るためのコツ をつかめる
「自分は文系学部だからITやSIer就活は厳しいのでは?」と感じる方や、遅めに業界研究を始めて不安を抱えている方でも、本記事を読めば 具体的な対策と視点 を得られます。最後までぜひご覧ください。
目次
1. 文系学部からSIerへ?インタビューの背景と概要
今回ご紹介するのは、大学在学中は農業関連分野を専攻していたある学生Aさん(25卒) の体験談です。文系寄りでITにまったく接点がない学部だったため、なぜSIer企業を志望しようと思ったのか、どのように企業を選んで就活を進めたのかを詳しくお話しいただきました。
最終的には、ある証券会社の内定 を承諾する形で就活を終えたAさん。しかし、その過程では 独立系SIerや外資系IT企業 の最終面接まで進んだ経験や、選考で苦労した点があったといいます。実際にSIer業界を検討したけれど内定を承諾しなかった理由まで、就活生視点でのリアルな声をまとめました。
- IT・SIer業界を遅め(5月頃など)から受け始めた
- 大学の専攻や学部がIT分野と関係ない
- メーカー系か独立系か、外資系か、何を基準に選べば良いのか迷っている
そんな方にとって、Aさんの体験談が大いに参考になるはずです。
2. SIer企業を受け始めた時期と就活全体の流れ
Aさんは25卒として就活を進める中で、「大手電機メーカーのIT部門」「独立系SIer」「外資系IT企業」という順番で企業を見始めたそうです。
- 最初は大手電機メーカーのIT部門
- 次に独立系SIerや総合的なIT企業
- 最後に外資系IT企業の募集を確認
並行して、他業界(金融・人材・食品など)でもIT部門の募集があれば受けるという流れで、就職活動を展開していたとのこと。
特に独立系SIerや外資系IT企業の選考は比較的遅くまで募集を行っているケースも多く、Aさんは5月頃から本格的にSIer就活を始めたようです。遅めのスタートでも内定を取る可能性は十分ある、という具体例と言えるでしょう。
3. 独立系SIerや外資系IT企業を選択した理由
「大規模プロジェクトに自分の裁量で関わりたい」
Aさんは最初から「大規模なプロジェクトを担当し、チームでシステム開発を行いたい」という軸が明確でした。大手のメーカー系SIerやユーザー系企業の場合、若手のうちから大きな裁量を持つのは難しいイメージがあったとのことです。
独立系SIerや外資系IT企業なら、成果主義やプロジェクトの数の多さを背景に、若手でも重要なポジションを任されやすいと考えたため、そこをメインで受けるようになりました。
「外資系なら評価次第で挑戦の幅が広がる」
外資系IT企業に対しては、「自分の実力が社内評価に直結しやすい」という魅力を感じたそうです。実力を評価されれば、より大きなプロジェクトや新たなステップに挑める可能性が高いので、独立系SIerと並行して外資系IT企業の選考も進めていたようです。
4. メーカー系・ユーザー系SIerを検討しなかった理由
若手のうちは裁量が少ないイメージ
Aさんによると、メーカー系・ユーザー系SIerはどうしても親会社の方針に従って動く場面が多く、「上から降りてくる仕事を淡々とこなす」 印象があったといいます。もちろん、実際には若手でも裁量が大きい会社も存在するのですが、独立系SIerと比べてその度合いが低い と感じ、積極的には検討しなかったようです。
プライムベンダーでも大きくは変わらないと思っていた
「メーカー系の親会社のさらに上流にあたるプライムベンダー(大手SIer)ならどうか」という点についても、結局は独立系・外資系ほど若手が裁量を持って0→1を作り出すイメージが湧かなかったため、優先度が下がったそうです。Aさん自身は積極的に企画や要件定義から携わりたいと思っており、その希望を叶えやすいのは独立系や外資系だろうと判断したとのことです。
5. キャリアプランと福利厚生を軸にした企業選び
ライフプランに必要な要素を明確化
Aさんは、「自分の理想とするライフプランを実現できるかどうか」を企業選びの大きな指標にしました。具体的には以下のような項目を重視。
- 家賃補助(住宅手当)の有無
- 育児休暇がしっかり取得できる制度
将来的に一人暮らしをする際の負担軽減や、家庭を持ってからの育児参加を視野に入れたときに、この2点が非常に重要だったといいます。さらに、「チームで大規模プロジェクトを回しながら、自分でも裁量を持ちたい」という仕事観も合わさり、最終的には特定の数社に絞って受けたそうです。
「給料が高いからOK」ではなく制度を重視
学生の中には、「住宅補助がなくても給料が高ければ同じでは?」と考える方もいるかもしれません。Aさんの場合は、「基本給とは別で確実に手当が支給される」安心感を重視しました。そこが自分のライフプランに合致しているかどうかを、企業選びの軸にしていたのが印象的です。
6. 農業関連学部でも活かせる、SIer向けアピールポイント
全く接点がない専攻でも「課題解決力」を押し出す
Aさんは農業関連の学部に所属していました。食品や農業系企業を受けるのが自然と思われるかもしれません。しかし、あえてIT・SIer業界へ進むうえで苦労したのが、「学部との関連性が薄い」という認識をどう払拭するか でした。
- 学部内容を直接アピールしない
→ 代わりに、サークル活動やゼミでの課題発見・課題解決経験を取り上げ、「IT・SIerの業務でも活かせます」と説得力ある形で伝えたそうです。
未経験スタートでもES通過率は高い
実際に10~20社のSIer・IT系企業にエントリーしたところ、ES(エントリーシート)の通過率は80~90%だったといいます。新卒採用においては未経験は当たり前なので、「コミュニケーション力」「ロジカルシンキング」「チームワーク」などのヒューマンスキルをしっかりアピールすれば、最初の関門はそれほど難しくなかったとのことです。
7. 最終面接突破が難しい?失敗から学んだ対策法
最終面接で「熱意を高く伝えれば受かる」は間違い
Aさんが最も苦労したのは、最終面接でした。一次・二次面接である程度自分の人となりを伝えられているからこそ、「あとは同じ内容を熱意を持って話せば大丈夫だろう」と油断していた結果、最終面接で立て続けに不採用となるケースが多かったといいます。
- 緊張で話が長くなる・要点がまとまらない
- 伝えるエピソードが表面的になりがち
こうした失敗を重ね、最終面接対策の重要性を痛感したそうです。
失敗を徹底分析し、大学のキャリアセンターや教授に相談
最終面接で落とされた際、「何が原因だったのか」をAさんは文字起こしして整理。大学の就職支援センターやゼミの教授に相談し、
- 話が冗長で分かりにくい
- エピソードの核心(どんな行動を取り、なぜ成功したか)が浅い
などの問題点を洗い出しました。回数をこなすうちに面接慣れも進み、ようやく最終面接を突破して内定を獲得したのは外資系IT企業だったそうです。
8. 内定複数獲得後にSIerを辞退した理由と真意
結局は証券会社を選んだAさん
複数の業界からいくつか内定を得たAさん。最終的には 証券会社 の内定を承諾しました。独立系SIerや外資系IT企業で最終面接まで進み、内定を得たところもあったのに、なぜ辞退したのか。
理由1:今後のライフプランに合うかどうか
SIer企業の働き方に対して、
- プロジェクトスケジュールが顧客都合でタイトになる場合が多い
- 残業・休日出勤が発生しやすく、ワークライフバランスを保つのが難しそう
という印象が最後まで拭えなかったといいます。もちろん、SIerでもホワイトな環境はありますが、Aさんにとっては「育児休暇の取りやすさ」「フレキシブルに時間が使いやすい」企業を優先。結果的に証券会社の内定へ進む選択をしました。
理由2:確実性を重視したい
「若手が裁量を持てる」というのはSIerや外資系ITの魅力ですが、同時に成果主義的な側面が強い会社も多く、自身の希望するライフプランとの両立を不安視したようです。社内制度が整っており、長期的に腰を据えて働ける確実性を感じたのが、証券会社を選んだ最大の決め手となったようです。
9. 遅めスタートでも内定獲得可能!SIer就活へのアドバイス
(1)エントリーシートは「他者に見てもらう」こと
5月以降に就活を本格化させても、Aさんは「ES提出から一次面接まで問題なく進めるケースが多かった」と話します。その秘訣としては、エントリーシートは必ず複数の人に添削を頼み、客観的に見て理解しやすい内容かどうかチェックした点が大きかったとのこと。
- 大学のキャリアセンター
- 友人や先輩
- 家族(文章の読みやすさチェックに有効)
こうした周囲のサポートを活用し、ぎりぎりで就活を始めてもエントリーシートの精度を高めることが重要です。
(2)面接対策は「想定質問への回答を事前準備&壁打ち練習」
就職支援サイトなどにある想定質問リストを活用して、早めに受け答えをまとめておくと、面接本番での緊張がやわらぎます。Aさんの場合、「なぜSIerを志望するのか」「なぜIT業界を選ぶのか」「どんなキャリアを描いているのか」などは特に重点的に準備し、友人と模擬面接を繰り返すことでブラッシュアップしたとのこと。
(3)学部が関係なくても、自分の経験をSIerに結びつける
文系学部やIT未経験者は、学部の学び自体が企業に直結しなくても問題ありません。サークルやゼミ、アルバイト経験などで得た課題発見・解決力やチームワークを強調し、それらがSIerでのコンサルティングやシステム開発の要件定義フェーズで活かせると説明すると説得力が増します。
(4)「自分は本当にSIerで働きたいのか」を最後まで考え抜く
Aさんのケースのように、最終的に「自分のライフプランとは合わない」という結論に達する場合もあります。選考を進める中で、実際の社員の話を聞いたり、OB・OG訪問をしたりして、働き方や評価制度をよく理解しておきましょう。SIer業界には魅力が多い反面、プロジェクトの繁忙期に左右されがちな一面もあり、「ワークライフバランスをどう保つか」は人によって感じ方が異なる部分です。
まとめ:後ろ倒しでもSIer内定は取れるが、自分の希望を明確にしよう
本記事では、農業関連学部出身で5月以降にSIer就活をスタートしたAさんの体験談を中心に、選考の流れや最終的なキャリア選択の背景を紹介しました。
- 時期が遅くても、エントリーシートと面接対策をしっかり行えばSIer内定は十分に狙える
- 文系学部・理系学部問わず、課題解決経験やコミュニケーション力を具体例を交えて伝える
- 最終的にSIerを辞退したのはライフプランとの相性を考慮した結果
というポイントが見えてきたのではないでしょうか。
もし「自分に合った業界なのかどうか迷う」という方は、SIer企業の先輩社員や内定者、就職支援機関のアドバイザーに相談しながら、じっくり判断するのも有効です。SIerは未経験からでも活躍できる可能性が高い反面、プロジェクトの波が激しかったり、働き方が企業によって大きく異なったりするので、複数社を見比べることが大切。
自分の理想の働き方・ライフプランを軸にしたうえで、しっかり対策を練って挑めば、たとえスタートが遅くても納得のいく選択ができます。ぜひ、本記事を参考に、あなた自身のSIer就活を成功へ導いてください。