【保存版】就活で知っておきたいSIer平均年収ランキング!
この記事を読むことで、就活生の方はSIer業界の基本構造を理解し、業界内でどの企業がリーディングカンパニーであるかを把握するきっかけを得ることができます。また、平均年収ランキングを参考にすることで、自分が目指すべき企業の選択軸を整理しやすくなります。独立系、ユーザー系、メーカー系など、それぞれの特徴を理解し、自分に合った企業を見つける助けとなるでしょう。さらに、SIer企業に内定するためのポイントや注意点についても学べるため、より具体的な就活対策に役立つ内容となっています。
目次
1. SIer業界の構造と特徴
まず、SIer業界とは「システムインテグレーター」の略称で、企業や官公庁などが必要とする情報システムの企画・開発・運用を請け負う企業群を指します。大きな特徴として、多重下請け構造が挙げられます。大手SIerが「元請け」としてエンドユーザー(一般企業や官公庁など)と直接契約し、そこから一部業務を下請け企業へ発注するという流れです。
元請け企業は利益率が高くなりやすく、その結果社員への還元(平均年収など)にも反映されやすいという構造があります。よって、この業界では平均年収が高い企業 = リーディングカンパニーである可能性が高いといえるでしょう。
ただし、他業界の場合には必ずしも「平均年収=リーディングカンパニー」ではないケースもあります。たとえば不動産営業などインセンティブ比率が高い職種では、業界全体のリーダー企業とは限らずとも平均年収だけは高いということが起こりえます。一方、SIer業界では多重下請け構造の特徴上、平均年収が高い会社ほど大手・元請け企業であることが多いのです。
2. SIer平均年収ランキングを知る意義
SIer業界の平均年収ランキングを知ることの主な利点は、以下のとおりです。
- リーディングカンパニーの把握
多重下請け構造の業界特性上、平均年収が高い企業は元請けとしてエンドユーザーとの直接取引が多く、ビジネス上も優位に立っている場合が多いです。 - キャリアパスや待遇の参考
大手・元請け企業は業務範囲が広く、多様なプロジェクトを経験できることが多いです。さらに、福利厚生や昇給制度も充実している企業が多く、将来のキャリア形成にもプラスになります。 - 自分に合った就活戦略の立案
企業を選ぶ際には平均年収だけでなく、企業規模・働き方・事業領域・技術志向なども考慮する必要があります。自分がどう成長したいのかを整理するうえで、平均年収ランキングはわかりやすい一つの物差しとなるでしょう。
3. 【10位~4位】SIer平均年収ランキング企業解説
ここからは、具体的に平均年収ランキングをもとに企業紹介をしていきます。なお、掲載のデータは書籍の公開情報などに基づいています。実際の年収は年代・職種・配属部署などで異なる場合があるため、あくまで目安としてご参照ください。
10位:NTTデータ
- 平均年収:852万円
- 平均年齢:非公開
- 特徴:NTTグループ最大手のユーザー系SIer。公共・金融・法人など幅広い分野でシステム開発を行っている。グループ企業内でのシナジーを活かし、大規模案件を安定的に受注する反面、近年は他社大手SIerとの競合も激しい。
9位:JSOL/大塚商会
- 平均年収:857万円
- JSOLの平均年齢:44歳
- 大塚商会の平均年齢:非公開
- 特徴(JSOL):株式会社NTTデータ(50%)、株式会社日本総合研究所(50%)の合弁会社として設立され、外販案件も積極的に展開。幅広い業界にソリューションを提供している。
- 特徴(大塚商会):独立系SIer。オフィス用品の販売やサポートサービスで有名。オフィス機器とあわせてシステム導入を提案するなど、営業力とITソリューションを両立している点が強み。
7位:日立ソリューションズ
- 平均年収:867万円
- 平均年齢:44歳
- 特徴:メーカー系SIer。2010年に日立ソフトウェアエンジニアリングと日立システムアンドサービスが合併して誕生。再編が多いメーカー系ならではのメリット・デメリットがある。たとえば、待遇面は比較的安定している半面、配属先によっては機器サポート部門に回ることもあるので、志望の仕事を明確にすることが大切。
6位:新日鉄住金ソリューションズ
- 平均年収:870万円
- 平均年齢:40歳
- 特徴:大手製鉄グループを母体とするユーザー系SIer。主に製造業のプロセス管理や業務システム構築に強みを持ち、他業界にも展開中。技術や研究のバックグラウンドがある理系出身者を多く採用する傾向が見られる。文系学生も応募可能だが、理系知識を活かせる人材がより評価される傾向がある。
5位:みずほリサーチ&テクノロジーズ
- 平均年収:910万円
- 平均年齢:45歳
- 特徴:もともと「みずほ情報総研」という名でシンクタンク機能を持っていたユーザー系SIer。金融系だけでなく、外販案件も行っている。シンクタンク部門とシステム開発部門の連携が特徴で、経営戦略の提言からIT導入まで一貫して提供可能。
4位:オービック
- 平均年収:1,006万円
- 平均年齢:36歳
- 特徴:独立系SIerであり、会計や人事給与など企業の基幹業務をパッケージソフトで展開。営業利益率は約60%と非常に高く、高収益体質を誇る。パッケージソフトを中心に展開するため、比較的少ない工数で高利益を生み出せるビジネスモデルが強み。若手の給与水準が高いことも注目ポイント。
4. 【トップ3】SIer平均年収ランキング企業解説
ここからは、平均年収が1,000万円を超えるトップ3の企業を詳しく見ていきましょう。
3位:伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)
- 平均年収:1,028万円
- 平均年齢:41歳
- 特徴:伊藤忠商事グループのユーザー系SIer。2020年代に入り、完全子会社化によって伊藤忠商事の影響力がさらに強まった。大規模案件を多数持ち、最新のDX領域への投資にも積極的。営業職とエンジニア職が分かれており、技術志向が強いエンジニアも多く活躍している。
2位:電通国際情報サービス(ISID)
- 平均年収:1,128万円
- 平均年齢:41歳
- 特徴:電通グループのユーザー系SIer。通称「ISID」。もとは広告大手の電通グループ企業として金融・製造・流通など幅広い分野のシステムを手がける。社風は自由闊達かつユーモアにあふれる面があり、早期選考の時期が比較的早いことでも知られる。福利厚生や研修体制も整っており、高い給与水準を維持している。
1位:野村総合研究所(NRI)
- 平均年収:1,242万円
- 平均年齢:41歳
- 特徴:リサーチ(シンクタンク)機能とSIer機能を併せ持つ企業。金融・流通・公共など広範囲にわたるシステムを手がけ、業界標準となるシステムをいち早く築いてきたため、継続的な収益を得るビジネスモデルが確立している。30代前半で1,000万円を超えるケースも多く、昇給は年功序列的に上がっていく傾向が強い。さらに手厚い福利厚生(健康保険組合・家賃補助など)も整備されており、給与以外のサポート面も充実している。
5. 就活生が押さえておきたいSIer選びのポイント
5-1. 独立系・ユーザー系・メーカー系を把握する
SIer企業には大きく「独立系」「ユーザー系」「メーカー系」の3種類があります。
- 独立系:特定の親会社を持たず自由度が高い。自社パッケージの開発に強みを持つところも多く、高利益率を実現している企業もある。
- ユーザー系:親会社やグループ企業のシステムを内製化する傾向があり、安定的に案件を得やすい。加えて、外販案件で利益拡大を目指す企業もある。
- メーカー系:親会社のハードウェアや製品開発のサポートにかかわるケースが多い。研究開発投資などで技術力が高い一方、部署によっては機器サポート業務が中心になる場合も。
5-2. 完全内販か外販ありか
ユーザー系には「完全内販」と「外販あり」の企業があります。
- 完全内販:グループ企業のシステム開発や運用がメイン。金融系のグループ会社などの場合には安定性が強いが、技術領域が限定されるケースがある。
- 外販あり:グループ以外の企業向けにもソリューションを提供。幅広い業界に挑戦できるため、キャリアの選択肢が多様になる。
5-3. 業界トップの企業を目指すべきか
平均年収の高いリーディングカンパニーは、案件の大きさや福利厚生の手厚さも魅力です。就活生としては、まず上位企業の選考を受けてみることで、業界標準やレベル感が具体的にわかるようになります。ただし、自分のやりたい仕事や働き方に合わない場合、無理に志望する必要はありません。以下のポイントを考慮するとよいでしょう。
- 技術志向:最先端の技術開発に携わりたいのか、業務知識を深めたいのか
- 働き方:ワークライフバランスや出張・転勤の有無など
- 社風・キャリアパス:大手ならではの堅実なキャリアパスか、ベンチャー気質でチャレンジングな環境か
6. まとめ:リーディングカンパニーから見えてくる就活戦略
本記事では、SIer業界の平均年収ランキングをもとに、主な企業の特徴や就活生が押さえておきたいポイントを紹介しました。ランキング上位企業は多重下請け構造における元請けとして、大規模かつ高利益率の案件を数多く手がけています。結果として、高い平均年収や充実した福利厚生を実現しているのです。
一方で、SIer企業選びにおいては平均年収だけでなく、企業の系統(独立系・ユーザー系・メーカー系)や社風、配属先の業務内容といった多面的な要素を見極めることが重要です。特に「自分が何をやりたいのか」「どの分野に強みを持ちたいのか」を明確にすることで、応募企業の絞り込みがぐっとしやすくなります。
- 独立系であれば、パッケージ開発の強みを活かして効率的に高利益率を上げる企業もあり、若手のうちから高収入を得られる可能性があります。
- ユーザー系であれば、親会社・グループ会社と連携しながら幅広い案件を経験でき、外販案件がある企業ならさらに多様な経験が積めます。
- メーカー系であれば、ハードウェア開発との連動や最新技術への投資も期待できる一方、システム開発だけでなくサポート業務を担う部署もあるため、配属先の希望をしっかり確認することが必要です。
就活では、まずは業界研究と企業研究をしっかり行い、自分が目指すべき方向性を定めることが大切です。今回のランキングを手がかりに、各社の特徴を比較検討し、自分に合ったSIer企業へのアプローチを進めましょう。リーディングカンパニーを志望することで、自分の実力や可能性を大きく伸ばすチャンスにもつながります。
ぜひ本記事を参考に、SIerの平均年収ランキングや業界動向を踏まえながら、最適な就活戦略を組み立ててみてください。