【就活・内定を勝ち取る】独立系SIerの特徴・魅力・選び方

この記事では、独立系SIerに焦点を当てて、ユーザー系やメーカー系SIerとの違いや、内定獲得のポイントを解説します。この記事を読めば、「独立系SIerの特徴や企業選びの基準」を把握でき、SIer就活やIT就活での企業リサーチが格段に進めやすくなります。大手のユーザー系・メーカー系だけでなく、独立系の選択肢も踏まえて就活を行い、IT業界で自分に合った企業へ内定を勝ち取りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

1. 独立系SIerとは?

独立系SIerとは、大手メーカーや通信・金融などの事業会社を親会社に持たず、文字通り“独立”しているシステムインテグレーション企業を指します。ユーザー系が「親会社のIT部門を切り出したもの」、メーカー系が「ハードウェアメーカーから分社化したもの」だとすれば、それ以外の大多数は独立系と考えられます。

  • 親会社からの安定した受注先を持たない分、自力で顧客開拓を行う必要がある
  • 日本に数多く存在するSIerの中で、実に大部分を占めるカテゴリー

多くの就活生が、「ユーザー系」「メーカー系」だけに目を向けてしまいがちですが、実は独立系のSIerこそが最大勢力。SIer就活IT就活で企業数を広げて検討したい方にとって、独立系は必ず押さえておきたい領域です。


2. 独立系SIerの代表的な企業と市場規模

独立系SIerはその数が非常に多く、中堅から大手までピンからキリまで存在します。ここでは代表的な企業例と、市場規模を概観してみましょう。

大手独立系SIerの例

  • 大塚商会
  • オービック
  • 富士ソフト
  • TIS
  • SHIFT
  • その他、ネットワークに特化した企業や、テスト・品質保証に強みを持つ企業など多数

大手企業の一例として挙がるオービックは売上規模こそ最大手に比べ小さめですが、営業利益率が非常に高く、財務基盤が盤石な有力企業として知られています。また、オフィス機器の販売なども手がける大塚商会は、ITサービスだけでなく複合的なソリューションを提供することで、多くの中小企業から支持を得ています。

市場規模の目安

  • 日本の情報サービス産業全体は約28兆円規模
  • そのうち大手独立系SIer上位企業を合計すると、2兆円以上を占める

ただし、独立系SIerは2万社以上にのぼるともいわれ、ここに挙がっているのはごく一部の大手企業のみ。中小規模の独立系SIerも含めると、さらに多種多様なビジネス形態が存在します。


3. 独立系SIerの主な特徴

(1) 親会社を持たない自力経営

メーカー系・ユーザー系の場合、どうしても親会社との取引が売上の大部分を占めがちです。一方、独立系は自社で顧客を開拓し、収益源を確保しなければなりません。このため、営業活動を積極的に行う企業が多いのが特徴です。

(2) 中小企業へのソリューション提供が盛ん

日本企業の約99.7%は中小企業といわれます。独立系SIerは、そうした中小企業のニーズを取り込むことで事業拡大を図るケースが多く、オフィス機器・パッケージソフト・財務会計などをワンストップでサポートする体制を持つ企業も珍しくありません。

(3) 多彩なサービス展開

独立系の中には、IT以外のサービスも併せて提供する企業もあります。たとえばオフィス用品、ネットワーク構築、各種クラウドサービス、保守サポートなど、あらゆる角度から企業のIT環境を総合的に支援するモデルが見られます。

(4) 独自の強みを伸ばす戦略

特定分野に特化しているケースがあり、テスト・品質保証に強い企業やネットワーク構築に強い企業など、専門特化することで競争優位を築いている例も多いです。

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4. 独立系SIerのメリット

(1) 多様な仕事に携われるチャンス

親会社の枠にとらわれないため、あらゆる業界・規模の企業と取引するチャンスがあります。「幅広い業界経験を積みたい」「1つに偏らずにキャリアを築きたい」という人にとって、独立系は魅力的です。

(2) 営業力が鍛えられる・強みを活かせる

独立系は自社で顧客を開拓する必要があるため、ゴリゴリの新規営業スタイルを確立している企業が少なくありません。営業職を志望する人にとっては、若手のうちから経営者層に直接提案できる環境を得やすいでしょう。

一方で、エンジニアにとっても、自社パッケージソフトや特定分野に特化したソリューションの開発・運用ノウハウを蓄積しやすいメリットがあります。

(3) 高い利益率・待遇の可能性

特に大手独立系SIerの中には、営業利益率が10%を超える有力企業も存在します。経営体質が優良な企業では、社員の給与水準や福利厚生が手厚いケースもあり、IT業界でも好条件を得られる可能性が高いです。

(4) 内定が取りやすい傾向

「ユーザー系」「メーカー系」は比較的知名度が高く、就活生の人気も集中しやすいですが、独立系は数が多い分、候補が分散し、さらに知名度が低い企業も多いです。そのため、大手以外の企業ならば競合が少なく、内定を得やすい可能性があります。


5. 独立系SIerのデメリット

(1) 企業数が多すぎて調査が大変

独立系はまさに玉石混交といえる世界です。大手・優良企業もあれば、中小で経営が不安定な企業も存在します。就活生としては一社一社調べる手間が大きく、入社前に企業体質をしっかり見極める必要があります。

(2) 成長思考が強く忙しい企業も多い

親会社に頼らない分、積極的に新規顧客を開拓し、業績を伸ばそうとする姿勢が求められます。結果として、ハードワーク気味になりやすい企業もあるため、比較的「まったりしたい」「安定が第一」という方にとってはミスマッチになる場合もあります。

(3) ジャンルが幅広く情報整理が困難

独立系SIerとひとくちに言っても、テスト・品質保証に強い企業、ERPパッケージを主力とする企業、クラウドサービスを展開する企業など、業務内容は千差万別です。就活の際には「自分が関わりたい分野」と「その企業の強み」が合致しているかしっかり確認しましょう。


6. 独立系SIer就活・内定獲得のポイント

(1) 大手以外の穴場企業をリサーチ

独立系の大手企業(たとえばオービックや大塚商会など)は知名度も比較的高く、競争率も高めです。しかし、大手準大手クラスでも名前が知られていない企業は少なくなく、こうした企業はライバルが少ないため内定を取りやすい可能性があります。

(2) 企業の収益力・安定性をチェック

売上・営業利益率・自己資本比率など、経営指標をきちんと確認しましょう。財務状況が不安定な企業だと、将来的に組織の再編や人員削減リスクが高まる可能性があります。

(3) 独自の強みやサービス内容を把握する

ネットワーク特化型・ERP特化型・オフィス機器とのセット販売など、各社のビジネスモデルを理解しましょう。「なぜその企業でなければならないのか」を語れるようにしておくと、面接時に説得力が増します。

(4) 社風・働き方を自分の志向とすり合わせる

  • バリバリ営業する環境で稼ぎたい→新規開拓に力を入れるタイプの独立系は向いている
  • まったりしたい・安定を重視→大手のユーザー系やメーカー系の方が合う可能性がある

IT業界と一口に言っても、企業によって仕事のスタイルは大きく異なります。説明会や面接、OB・OG訪問などを活用し、リアルな現場の声を収集しましょう。


7. まとめ

独立系SIerは、日本のSIer就活IT就活において最も数が多く、多様性に富んだカテゴリーです。大手ユーザー系やメーカー系に比べると知名度では劣るかもしれませんが、内定を獲得しやすい穴場企業も数多く潜んでいます。営業力や製品開発力に自信を持つ企業も多く、IT業界で自分の力を試したい人や、高い収益力を武器に社員へ還元する社風を持つ企業を探したい人にとっては大きなチャンスとなるでしょう。

一方で、企業数が多いために調査が難しかったり、成長志向や営業重視のカルチャーに合わない場合もあります。大手企業だけでなく、自分の興味がある分野や将来ビジョンに合った独立系SIerをチェックして、企業研究を進めてください。

  • 独立系SIerがおすすめな人
    • 幅広い業界の顧客と関わりたい
    • 自社サービスやパッケージに特化して開発したい
    • ゴリゴリの営業力を身につけたい、または多彩な業務で自己成長したい
    • 大手ユーザー系・メーカー系だけでなく、内定のチャンスを広げたい

数多くの独立系SIerの中から、自分に合った企業を見つけ出せれば、キャリアの幅は一気に広がります。ぜひ本記事をきっかけに、独立系SIerの世界に目を向けてみてください。

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