【就活×SIer】未経験から大手内定を勝ち取る方法~IT業界の実態と成功のカギ~(後編)
本記事では、就活の中でも特に「SIerを目指す学生」の方に向け、未経験から大手SIerに内定を獲得したある内定者の体験談をまとめています。就活本番に向けた具体的な面接対策、Webテスト対策のコツ、企業の選び方などを網羅しているので、読むだけで「SIer志望の就活生として、どんな準備をすればいいのか」がわかり、これからの行動に自信をもって取り組めるようになります。
本記事はその後編にあたる内容で、前編では「文理融合学部出身で学んだことをどう生かしたか」「インターン参加のポイント」などを詳しくご紹介しています。ぜひあわせてご覧いただき、就活対策をより万全に整えてください。
目次
1. 前編のハイライトと本記事の概要
前編のハイライト
- 文理融合系学部で情報をかじったものの、実質プログラミング未経験からのスタート
- 夏インターンや秋インターンを通じて得た就活の感触
- 企業研究や自己分析の進め方のポイント
前編の記事では、「未経験に近い状態でもSIerを目指すうえで、どう行動すればよいか」という点を中心に解説しています。未読の方はぜひら前編をご覧ください。
本記事の概要
本記事(後編)では、前編からさらに踏み込んで、Webテストの具体的な対策法や面接で共通して聞かれる質問への備え方などを一挙にまとめています。併せて、早期選考から本選考にいたるまでの内定獲得の時期とスケジュール感、そして就活を進める中で訪れた「一番辛かった時期」とその克服法についてもご紹介します。
2. 未経験でもSIerを目指せる理由
多くの就活生が気になるのが、「プログラミングなどの専門知識が少なくても、SIerに行けるのか?」という点です。今回お話いただいた内定者も、大学で情報を多少触れたものの、「ほぼ未経験」に近い形でした。それでも大手SIerの内定を勝ち取れた理由としては、以下のようなポイントが挙げられます。
- プログラミングよりもコミュニケーションが重視される
SIerの仕事は、クライアントとのやりとりや社内調整が重要。面接で「チームで取り組んだ経験」や「相手の要望をくみ取る力」がアピールできると高評価を得やすい傾向があります。 - プログラミングは入社後に学習する機会がある
SIerはプロジェクトによって使用言語やフェーズが異なる場合が多いです。入社後の研修やOJTで十分身につけられると考えている企業が多いため、「学ぶ姿勢」や「吸収力」を示すことが大事です。 - あらゆる規模のプロジェクト経験を積める
大手SIerでは、小規模から大規模のプロジェクトまで幅広く携われるため、入社後にスキルアップしやすい環境が整っています。未経験でも「大手だからこそ、多様な案件に挑戦できる」という魅力があります。
3. 就活序盤からのWebテスト対策の重要性
就活において、Webテストや筆記試験をクリアできなければ面接にたどり着くことすらできない場合がほとんどです。実際、今回の内定者も就活序盤の6月頃からWebテスト対策を開始し、SPIなどの問題集を継続的に解いていました。
対策で意識すべきポイント
- 主要なWebテスト形式を知る
SPIや玉手箱、CAB・GAB(Web-CAB/ Web-GAB)、テストセンターなど、企業によって採用されるWebテストはさまざまです。まずは主要形式を押さえ、自分が受ける可能性が高い形式を重点的に対策しましょう。 - 早めに手をつけて苦手をつぶす
数的処理が苦手な人は早めに問題集でパターンを把握し、徐々に問題数をこなしましょう。焦って一気にやろうとすると理解が中途半端で終わりがちなので、少しずつ積み重ねることが大切です。 - 最終的には本命企業が導入しているテストを優先
大手SIerの場合、SPIを使うケースが比較的多いものの、テストセンター形式(これもSPI系)や玉手箱などが導入されることもあります。実際に内定者が受験した企業も、SPI・玉手箱・テストセンターがメインでした。
本番直前に焦らないためにも、まずはSPIを軸として学習しつつ、志望企業に合わせて追加対策を行うのがおすすめです。
4. 面接対策:共通質問と意外な質問への備え方
共通して聞かれる質問
SIerに限らず、就活では以下のような質問はほぼ確実に聞かれます。
- 志望動機
- 自己PR・学生時代に力を入れたこと(いわゆる“ガクチカ”)
- なぜIT業界(SIer)を選んだのか
- SEの仕事をどう理解しているか
上記のような「定番質問」は事前に自分のエピソードを深掘りし、論理的に答えられるようにしておく必要があります。
ポイント
- 「自分の経験+ITで生かせる部分」をセットにして語る
例:「コミュニケーション力」をアピールする際は、具体的なエピソードで説明しつつ、それを「大規模プロジェクトでの調整役」という形で生かしたいなど、SIerならではの仕事につなげる視点が必要です。 - 「プログラミングが苦手」なら、その分野をどう補うかを伝える
例:実際にプログラミング授業で挫折した経験があっても、学ぶ姿勢や調整力をアピールすることで、企業が求める人材像に近づけます。
意外な質問への備え
内定者の方が面接で戸惑った質問の1つに、「弊社のシステムで興味を持ったものはありますか?」 というものがありました。これは、企業研究をしっかり行っていないと即答が難しい質問です。
- 対策法
- 自社ホームページやニュースリリースなどで、企業が提供するサービスや製品をざっとチェックする。
- 特に大手SIerでは業務システムだけでなく、AIやクラウド、DX支援など多岐にわたる分野を扱うケースがある。自分が興味を持てそうなプロジェクトがないか確認し、「なぜ関心があるか」を言語化しておく。
5. 早期選考・本選考での内定獲得スケジュール
大手企業では、早期選考(インターン参加者向けや特定大学向け) を行うことが一般的です。今回の内定者の場合、年内(12月頃)に2社から内定を獲得した後、本選考が始まる3〜4月にさらに複数社から内定を得ています。最終的には5月末まで内定が増えていき、結果的に複数の大手SIerからオファーをもらう形になりました。
スケジュール感の例
- 6〜9月:夏インターン参加、Webテスト対策開始
- 10〜12月:秋・冬インターン(早期選考)を受ける
- この時期に内定が出る企業もある
- 1〜2月:本格的な面接対策(自己PRや志望動機の深掘り)
- 志望企業の優先順位決定
- 3〜4月:本選考
- 大手SIerを中心に面接ラッシュ
- 内定獲得のピーク
- 5〜6月:最終的な内定出し+就活終了
6. 内定者が感じた「一番辛かった時期」とその克服法
夏インターンから冬インターンへの不合格体験
内定者いわく、「夏明け〜冬にかけてが一番辛かった」とのこと。理由としては、夏インターンの成績が振るわず、冬インターンの選考にも落ちてしまい、「このままで大丈夫なのか」という不安に苛まれたからだそうです。
それでも逆転できた要因
- インターン結果は本選考に直結しない
SIerの選考では、インターンでの成績がよくないと本選考で不利になるのでは?と考えがちですが、実際にはインターン不合格でも本選考で逆転可能です。 - 粘り強い企業研究と面接練習を継続
インターンに落ちても、企業をしっかり研究し直し、面接練習を継続したことで、本選考では自信をもって臨めたとのことです。
7. 後輩就活生へのアドバイス
最後に、次年度(たとえば26卒)以降の就活生に向けて、内定者からのメッセージをご紹介します。
- 焦らずに基礎を固めることが大切
- 就活では、「どの業界に行くのか」「どんな企業が自分に合うのか」を決めるまでに時間がかかることもあります。しかし、焦りは禁物。1つ1つの選考対策を丁寧にこなしながら企業研究を進めることで、大手企業からも十分な評価を得られます。
- 特にWebテスト対策を早めに始める
- SPIなどのWebテストは、面接以前に落とされてしまう原因の1つ。苦手分野を把握し、短い時間でも継続的に問題を解く習慣をつけましょう。
- 面接では「自分の経験をSIerにどう生かせるか」を明確に伝える
- プログラミングスキルに自信がなくても大丈夫。大切なのは相手の要望をくみ取る力やコミュニケーション力など、「SEに必要な素養がある」と感じさせることです。
- インターンで落ちてもめげない
- インターン結果だけが就活の全てではありません。本選考では志望度や経験の伝え方次第で逆転可能。挫折を経験したからこそ成長した点を面接でアピールしてみてください。
8. まとめ
SIerへの就活は、文系・理系問わず、未経験からでも十分に内定を獲得できる可能性があります。もちろんプログラミングスキルがあるに越したことはありませんが、実際の現場ではコミュニケーション能力や調整力、学ぶ姿勢が求められるからです。
- Webテスト(SPI・玉手箱など)対策は、なるべく早くから少しずつ取り組む
- 面接では「自分の経験をどう生かすか」を具体的に話す
- 企業ごとのサービス内容・システムを把握しておき、興味分野を語れるようにしておく
これらを着実に実践していけば、早期選考で実力を試す機会も増え、年内内定を獲得することも決して夢ではありません。たとえインターンに落ちたとしても、そこでの失敗を活かして本選考に臨めば十分に逆転が可能です。
前編では、インターン段階での取り組み方や自己分析の進め方など、より初期段階のポイントを詳しくご紹介しています。まだ読んでいない方はぜひ以下のリンクからチェックし、前編・後編あわせて就活準備を万全にしてみてください。
本記事を参考に、就活生の皆さんがSIerでのキャリアを実現できることを心より応援しています。 早め早めの準備で、理想の内定を手に入れましょう!